星も知らずに
窓から漂う冷気を糧に、夏の晩
紫に差されたオレンジ赤ピンク失せてゆく様窓越しに見る
煌めいた星も知らずに暗闇を歩いているだけ電気の支配下
陽光が隔てたガラスを貫いてブルーグレーの空気が柔らぐ
霞んだインクが肌に馴染む
落ちていく日常包んで旅に出る
透明のゆでたオレンジ手のひらで
流血が垂れて湯だったミルク粥裂け目に浸りて快楽にじむ
手中にだけ収まる全てを飲み干した果てにあるのはわずかな花びら
宛てのない思い出寄りてきたところ全てとらえて瓶に閉まった